「その店の場所って、この辺?」


「えっと、そこの花屋さんの隣の道を右に曲がって、少し歩いていけば、たどり着くはずなんだけど……」


地図で場所を確認していると、日向君も一緒にリーフレットに視線を向けた。


「…そうみたいだな。じゃあ、行こうか!」


日向君は声を弾ませると、私の手をギュッと握る。


突然の行動に驚いた私は、ビクッと体が震えてしまった。


「えっ、日向君!?て、手っ…!!」


パニックになってしまって、上手く喋れない。


口をパクパクさせながら、握られた手と日向君の顔を交互に見た。


「椎名の手、小さくて柔らかいよな。ずっと握っていたいぐらい。」


「………っ!?」


まさか、そんな感想が返ってくるとは思わず、ドキンッと心臓が跳ね上がる。


繋がれた手を通して、鼓動の音が伝わってしまいそうな気がした。


ど、どうしよ…。


今からこんなにドキドキしちゃって、持ち堪えられるかな…私の心。