君に夢中で恋してる*


その反動で尻もちをついてしまった私。


手に持っていたリーフレットやピンク色の封筒が辺りに散らばった。


「ごめん、大丈夫!?」


降ってきたのは男の人の声。


私、地図に見るのに夢中になってて、通行人にぶつかっちゃったんだ…。


「す、すみません…!私の前方不注意で………」


申し訳なさを募らせながら、顔を上げた瞬間…。


「………っ!?」


私は目を見開いてしまった。


う、うそ……。


信じられなくて、心の中でそんな言葉を漏らす。


なぜなら、ぶつかった相手が日向君だったからだ。



「ひゅ、日向君…。」


瞬きを繰り返す私を日向君はジッと見つめている。


「えっと、椎名…だよな?」


「う、うん…。」


コクンと頷く私を見て、日向君は照れくさそうに頭を掻いた。