「なんだよ、冷たいヤツだなぁ…。こうなったら、何がなんでも参加するからなっ!」


「そんなことより、お前…今日は用事があるって言ってなかったか?」


冷ややかに日向君から言われた唐沢君は、時計を見て“あっ!!”と大きな声をあげる。


「いけねぇ!!この後、兄貴とサッカーの試合を観戦しに行くんだった…!ヤベッ、このままじゃ遅れるっ!!じゃあ、またね星愛ちゃん!」


慌てた様子で言うと、廊下をダッシュで走って行ってしまった。


「……ったく、俺が言わなきゃ完全に忘れてたな、あれは。」


日向君は、ふぅ…と一息ついて、苦笑いを浮かべる。


「椎名、ごめんな。碧のヤツ、賑やか過ぎて鬱陶しかっただろ?」


「う、ううん…そんなことないよ。大丈夫…!」


私は首を横に振った。


突然、お茶に誘われたのには驚いたけど、鬱陶しい…っていうわけじゃなかったし…。


明るい雰囲気の男の子だったな…。