花火大会は、8月最後の週の日曜日…。


特に予定は無いや…。


「ううん、用事もないから大丈夫だと思う…。」


それを聞いた日向君は、表情がパアッと華やいだ。


「んじゃ、椎名も参加決定な。」


キラキラ輝く笑顔がカッコよくて、胸が高鳴る。


「あ、あの…日向君は花火大会に行くの…?」


「もちろん。だから、椎名が参加してくれるのは、すげぇ嬉しい。」


ドクンッと鼓動が波打つ。


嬉しい…って言ってもらっちゃったよ…。


気持ちが一気に浮上していくのを感じていると、唐沢君が花火大会のチラシを横から覗き込んできた。


「へぇ、花火大会かぁ…。星愛ちゃんが行くなら、俺も行こうかな。」


「碧はクラス違うから、参加不可。」


「えぇっ!?一人ぐらい隣のクラスの人間が混ざってたっていいじゃねぇか。星愛ちゃんも、そう思うよね?」


「あっ、は…はい。」


突然…話を振られた私は、ぎこちなく頷く。


「ほら、星愛ちゃんは参加していいって言ってるぞ?」


「椎名は優しいから、そう言ってくれたんだよ。とにかく、お前は参加禁止だ。行きたいなら、一人で勝手に行けよ。」


日向君の言葉に、唐沢君は拗ねたようにツンと口を尖らせた。