同じ傘の中、ふたりきり。
しかも相手は、想いを寄せる男の子。
こういう時、何を話せばいいの…!?
緊張し過ぎて頭がうまく回らない私。
どうしたらいいか分からなくて、ひたすら俯く。
きっと、他の女の子だったら…積極的に話し掛けたりするんだろうな…。
黙りこんだりしないよね…多分。
はぁ……。
どんなに緊張しても、それに負けない勇気があったらいいのに…。
落ち込みながら歩くうちに、駅までやって来てしまった。
ちょうどホームに停車していた電車に、急いで飛び乗る。
少し混んでいる車内。
私たちは乗降口の傍に並んで立った。


