「今日の見学は、宮里だけでいいな~?」


「はーい…」



私、宮里栞菜(みやざとかんな)


夏は、大嫌い。



体育の日は、いつもプールだし

教室は、扇風機つけないと暑いし

そして、私が一番嫌いな行事の練習が始まる。


それは。



学園祭だ。



ばしゃっ…


「ぶっ!?」



「みーやーざとっどーして見学なんだよ~?」


「プール、嫌いだし」



「ふーぅん…」



「島田くんはいいね。運動神経バツグンでさ、男女共に人気あるし」


「…んな事ねーよ」



「あるある」



ピーッ!



笛の音が聞こえた。



「こらぁー!!島田ー!!サボるんじゃねー!!」


あ、先生、お怒りの様子。



「バレたか~っ」



「お前、校庭10周!!」



「まーじー?じゃ、行ってきやーす」



あははっ……



凄いな、島田くん。


みんなを、笑わせてる。



島田くんは、島田一弥(しまだいつや)



クラスの中では、ムードメーカー的存在。


島田くんは、カッコいいし、頭いいらしいし、男女共に人気だし、性格もいい。


完璧な人。