「歩依が泣いてるの、初めて見る
……」

「おねぇ………ちゃん…………」

「歩依は、大和の奥さんよ。自信
を持って。……ね?」

「ん」

「お母様たちのことは、あたしが
ちゃんと話す。大丈夫よ。…ね?」

「ん」

「ごめんね……。もう、背負うも
の……十字架は、ないから…ね。
歩依は歩依らしく、歩依として、
人生を全うして…」

「うん…」

それから涙が枯れるまで、

2人で泣きじゃくった。