セツコイ


―入学式―

「俺、『克健』っつー名前あんま好きくないから『カッツーン』って呼んでな!!」

クラスメイト全員に聞こえるように言ってたっけ…


『こらー、そこ静かに』

「はっ…入学式早々、校長先生に目をつけられたあっ!」


…―


思い出しましたよ、克健さん。


「はいはい!!私覚えてるよん♪」

葵はそう言って、手をピンッと上に挙げた。

「お、じゃあそこの君!発言せよ!!」


葵は椅子から立ち上がって自慢げな顔をした。


「ガッシャーン!!でしょっ?」

「何が壊れたんだよ!?」


葵は『あれ?』といった感じに首を傾げながら椅子に座った。


「あははっ」

アタシは思わず笑った。

そんなアタシを見たカッツーンはアタシを指差した。


「そんなリエリエは分かるのカナ??」

…なぜカタコト。

そしてアイドルのようなアダ名…リエリエて。


まあ、覚えてるけどね♪

アタシは葵より自慢げに答えた。

「カッツーン!」