―昼休み―


「ねぇー、葵?」

「んー??」

葵は箸を持ったままこちらを向いた。

「葵ってさ〜…」

「ん?」


「好きな人いるの??」


すると、葵は顔を真っ赤にさせた。


「えっ…!?い、いないよ!!」

「いるんだぁ」

アタシはニヤニヤ笑う。

「誰??」

アタシは葵に詰め寄った。


「ま、待って!!教えるから…耳貸して?」

葵は、まだ赤い頬を手で押さえながら言った。


アタシは頷いて、葵に耳を傾けた。


「タッくん…」


葵は、聞こえるか聞こえないかの声でそう囁いた。

「まじ!?」

葵は小さく頷いた。