「でも、海都はなんでうちの場所分かったの?」
「なんとなく。 ってか、花火始まるぞ!」
まだ、花火まで時間ある…。
「まだ時間あるよ! なんで分かったの?」
「声が聞こえたから!」
声…?
「うちの声聞こえたの?」
「空羅しかいねーだろ!」
「探してくれてたの?」
「ちげーよ! たまたま声が聞こえただけ!」
「でも、愛奈は探してたって言ってたよ?」
「佐原のやつ、余計なことを!」
海都は小声でなんか言ってたけど、気にしないで続けた。
「そういえば、梨華?って子は?」
一緒に探してたって聞いたけど、見当たらない。
「あぁー、帰った。」
なんか、急に暗くなった。
本当に好きなんだね…。
「もう、そんなに好きなら帰らせなきゃいいのに(泣)」
自然と涙が溜まってく。