「あぁ、もう少し待ってくんない?」
期待外れの返事より、孤独がうちを包み込んだ。
海都は、誰と回りに来たの?
うちじゃなくて、その子との方が楽しいの?
不安だったからか、言葉に発してしまった。
「海都は、その子の方がいいの?」
「なにそれ? どいうこと?」
「だから、うちよりその子の方がいいんでしょ!!」
「何泣いてんだよ…意味分かんねぇ。」
泣いてる?
気付いた時には、大量の涙の雫がこぼれ落ちていた。
しかも、海都は面倒くさそうにうちを見てる。
「ごめん…。」
「はぁ? っておい! 空羅!?」
後ろから海都の声がしたけど、走って逃げた。
海都はきっと、あの子が好きなんだ。
「うち…海都が好きなのかな?」
なんで、今さら気付いちゃったんだろう。
うちは、バカだ。
「海都のバカ~!」
そして、海都もバカ。
うちは、家に向かってゆっくりと歩き始めた。