スーパーから出ようとしたとき、

「あれ、雅樹じゃね?」

スーパーにいたお兄さんが太郎さんの顔を見て言った。

「…雅樹…?」

「雅樹だろ?久しぶりだなあ。高校のとき以来だから4年ぶりとかか?」

もしかして太郎さんの知り合い?

太郎さんの本名は雅樹というのか?

「…人違いじゃないですか?」

太郎さんは顔色を変えずにそう言った。

「…え、」

「うそっ。雅樹じゃねえの!?うわ。恥ずかしい。すみませんでした!」

お兄さんは顔を真っ赤にして去った。