木藤宏昌は病院の廊下でそわそわしていた。

「宏昌、落ち着きなさい。」

お母さんに腕を引っ張られる。

「遅くない!?まだ生まれないのか!?」

「普通このくらいはかかるわよ。どっしり構えときなさい。あなた父親になるんでしょう?」

宏昌が椅子に腰かけたとき、

分娩室から元気な産声が聞こえた。