夜。

俺はボストンバッグに荷物を詰めた。

「いっくん。」

花ちゃんが部屋に入ってきた。

「いっくん、ここからいなくなるの?」

「…うん。明日お父さんが迎えにくるから。」

「もう帰ってこないの?」

「…わからない。」

花ちゃんは顔を歪めた。

「いっくん、寂しいよ。いっくんいなくなると寂しい。」

「…うん。」