「利一さん、本当はこんなこと言いたくはなかったんですけど、以前ここに住んでた木藤澪さん、自殺してますよね?」

利一は目を見開く。

「いろいろ調べさせてもらいましたが、自殺の原因はあなたにあると。いや、直接的な原因ではないけれど、結局、木藤さんの利一さんに対する依存心がそういう結果を招いたのでしょう?」

「…。」

「子どもたちに居心地のいい空間を与えることができるあなたを尊敬します。ただ、そのせいで子どもたちが甘えてしまって、いざ突き放されるとなると依存心が勝って自殺してしまったら元も子もないじゃないですか。泉にはそうなってもらいたくないんです。」

泉の父は利一に頭を下げて出て行った。