「利一。」

幸平と葉子は利一の部屋に入った。

「入ってこんでや。」

「利一、ごめんなさい、今まで黙ってて。でもね、聞いてほしい。確かに利一はこの家の前に置き去りにされてたけど、捨てられたわけじゃない。」

「…え?」

「私たちはあなたの本当の親の顔は知らないわ。手紙でお願いされたの。」

葉子は手紙を利一に見せた。