「本探しに来たん?」

「え、いや、あの…」

「?」

言葉に詰まっている杉野。

「どしたん?」

「…吉村はいますか。」

「吉村?…ああ!泉か!」

利一は手を叩く。

泉の苗字が吉村であることを忘れていたようだ。

「おるよ。呼ぼうわい。泉ー!お客さん!」

利一は2階に向かって叫んだ。