それから数日経って、澪さんが風呂場で手首を切っているのを利一さんが発見した。

「澪!」

ただ事じゃない叫び声に俺が駆け付けると、ぐったりと横たわる澪さんと血で赤く染まった浴槽が目に入った。

「泉!救急車!」

「…。」

「早く!」

「は、はい!」

震える手をなんとか動かして電話をした。

利一さんは必死に澪さんに声をかけている。

救急隊員が駆け付けたが、もう手遅れだった。