そんなことを考えながら、僕は花音を見つめた。小さな体に、小さな顔。その小さな顔には意外にも切れ長な大人びた目と、存在感の薄い鼻に、無駄を省いたような唇。特別美しくはないかもしれないけれど、僕の目にはいつだって宝石のように映る。

「私のこと、愛してるのね。」

「もちろん。」


僕から花音をとってしまえば何も残らないくらい、愛してるよ。と言うのはやめた。


愛だけではない。依存や執着が、僕の純粋な愛にこびりついている。依存や執着で花音を縛りつけていることもわかっている。