片思いまっしぐらぁ~

3時間目理科かぁ。
理科室の自分の席に着く。
コウ君はもうすでに座っていた。
でも、ずっと机に頭を伏せたままだった。
コウ君泣いてる・・・さっき先生に呼ばれてたけど。
そんなことを思っていると、まりちゃんから声をかけられた。
耳も元で「コウ君、今度の駅伝出れないみたいだよ」
「えっなんで?」
「なんか、ひざかがしてて、この前のマラソン大会も無理してたみたいだし」
「そう・・なんだ・・・」

授業が始まって先生から実験の準備をするように指示が出た。
コウ君・・・あんなに朝から練習頑張ってたのに・・・
いきなり出れなくなるって辛いよね・・・そんなことを思っていると、
まりちゃんが「いつまでメソメソしてんの。男だろ!」って声をかけた。
「まりちゃん!今は、そっとしておいてあげよう」
私はそう言って実験器具の準備をした。
実験が始まってもコウ君はうつむいたまま、でも少しは落ち着いたみたい。
しばらくするとコウ君が顔を上げた。
コウ君の目は充血していた。
私は、元気になってもらいたい一心で喋り出した。
もちろん友達として                           「見てこれ面白いよ」
そう言って実験途中のものを見せた。
「ホントだな。」
コウ君はいつもどうり綺麗な目を輝かせた。