だから、もう逃がさない。





「?!?」



動揺する私にお構いなしでゆっくり目を開ける彼。

ブラウンの瞳がジロリと私を捕らえて、そのまま体を起こした。



「、誰?」

「…………は?」


いやいや、こっちのセリフだからね!

アンタこそ誰だよ。



「この家の主ですけど」


捕まれた手首を離さない彼はさっきよりぐっと顔を近付けた。


「…腹、減った」

「…………それで?」


何を言い出すかと思えば、いきなりそれ?


「お金が欲しいんですか?」

「違う、何か食わせてって言ってんの」



つまり家に上がらせろと?