だから、もう逃がさない。




───────…




「…それで、何その言いたげな顔は。」


結局、お腹がすいてたのは本当だったみたいでガツガツと食べたあとリビングのソファーでくつろいでいた。

それを見ていた私へまた見透かしたように男は首を傾げて笑う。



「ちゃんと答えてくれるの?」

「ケースバイケース。」


で、何?

そう言って私からの質問を待った。



「……何で、倒れてたの?しかもうちの家の前で」

「腹減ってて倒れたところがちょうどこの家だった」


あと少し早く倒れてたか、遅く倒れてればよかったのに。

「じゃあ、家に上がりたかったわけは?」

「コンビニ行く前に餓死しそうだったから?」


なんで疑問形なの。



「………その制服着てるってことは本当に学生なの?」


さっきも気になったこと。

男が着ている制服は、私の学校の姉妹校である男子校の制服だ。


「いくらなんでもコスプレで着る趣味なんてねーよ」

「………、」

「信じてない?そんなに俺、老けて見えんの?」


いや、老けて見えるっていうかパッと見、大人びてて大学生と間違えても可笑しくない。