祭りの本番まであと、2日、明日は前夜祭。
前夜祭は、企業の前で一部二部にわたって踊るだけだ

「前夜祭出れないかもしれない人手挙げて」

団長が聞いた。

「俺、無理かもしれないです」

みつおくんが言った。
みつおくん、出れないのかぁ…
ショックだな…

「そっか、本番は出れるんだな?」

「本番は大丈夫です。」

明日はつまらない前夜祭になりそうだ。

練習場所からマンションの下までの道のりで
「みつおくん、前夜祭出れないんですか?」

「うーん、仕事があるからね。」

「そうですかぁ…」

やっぱ出れないか…。

「…けど、二部の16:30からのやつは出れるか、も。」

「ほんとですか!!」

二部だけでもいい。会いたい。




-次の日-

私とよしえは終業式だったため、
ヒロさんに送り迎えしてもらった。

前夜祭開始は12:30だった。
私は11:00に着き、早速化粧や髪型を整えた。

あいにくの雨で、みつおくんもいないため
テンションがそこまで上がらなかった。



そして、一部が終わり、休憩中、落ち着く匂いがした。
この匂い…

私は後ろを振り返った。

「あ…」

みつおくんだ!
みつおくんの香水は、独特で、とてもいい匂いがする。

「お疲れ様です!」

「ん、お疲れ」

ほんとに来てくれた…。
二部からの私のテンションはおかしくなりそうだ。



そして、二部の巡行が始まった。

どうしても、隣り同士で踊りたくて
私は色々後先のことを考えて行動した。
自分の計画通り、隣りで踊ることが何回かあった。

計画している自分、気持ち悪いな…。


二部はほんと楽しかった。
大好きな人が近くにいて、声出し合って騒いで
笑顔たくさん見れたから。

それで私は幸せだった。

もっともっと、君の笑顔、見たいよ…。