手を繋いでから、もっと意識するようになった。

そろそろ本番も近づいてきて、私も真剣に
太鼓を頑張った。
そんな時、異様によしえとみつおくんが仲よかった。
よしえは人気者で、正直羨ましかった。

そして、さきもみつおくんといつもより仲がよかった。
さきは愛されキャラで、誰からも大切にされる子だった。

皆それぞれ、キャラがある。
私はそれを羨ましいと思う。
私にはキャラというキャラが無かった。
丁度そう思っていた時、キャラの話題が出た。

メンバーのまさくんが言った。

「高校生メンバーって個性ありすぎるよな。」

「確かに。」

ひろさんが言った。

「よしえは、チャラいだろ?」

「チャラいってなんですかっ!」

「あいは…狂いキャラ?つか、馬鹿?ww」

「ひど!」

「さきは、愛されというか、俺らのだな!」

「笑」

「まなみは…なんだろうな?」

私はやっぱないですか…。泣

「ないのが逆に個性だろっ!」

まさくんが言った。
それはそれで寂しい

「お前は、性格がいい…キャラ」

みつおくんが言った。

「え」

「と、俺は思う」

みつおくんって本当優しいね。
凄くうれしかった。

「あ、ありがとうございます。」

皆、「ま!それでいいんじゃね?」と流していた。

私は涙がでるほど嬉しかった。



練習が終わって、皆で雑談してる時

「みつおくんみつおくん!聞いてください!」

「んー?」

私は日常的な事をみつおくんに話した

「私、今日の授業中、友達に”まなみに出会えて幸せ”って言われたんです!」

そう、美術の時間、友達に言われたのだ。それが嬉しくて
つい、みつおくんに報告した。

「おぉー!よかったじゃん」

「はい!めちゃ嬉しかったです。いきなり言われたんですよ!」

「それはお前が常に優しいからじゃないのか?」

…またそうゆうこと言う。

「いやいや、私全然ですよ」

「そうかな?俺、優しいなんか言われたことねぇぞ?ww」

「みつおくん優しいですよ!!」

私の一番言いたかった精一杯の気持ち。

「ははっwwあ、でも”案外優しい”って言われるかも」

「案外…かぁ…そうかもっ」

「お前も言うか!w」

このくらいがちょうどいいかも。
この距離を保っていたい。
我が儘かな?こうゆう風に思うのって