『だいたいなぁ、何で断りもなく出て行くんや!!?グランプリとったからってええ気になっとんのか!!?』
「ちが…っ」
そんなんじゃない。
“グランプリをとったら卒業”って。
そんな、先輩の元から離れられる、誰から見ても自然な理由が欲しかっただけ。
『…はぁ……もうええわ』
急に落ち着いた口調になった。
…とうとう呆れられてしまっただろうか。
そうやって、わたしを突き放してくれればいい。
『…電話で怒っててもしゃーない。表に出て来い』
「え…?」
『俺今、月島の実家の前におるから』
……!!
えぇ…!?


