パタン…
薄暗い部屋に一歩踏み入れ、ドアの閉まる音を聞く。
懐かしい、自分の部屋。
わたしが出て行く前の、そのままの状態で残してくれている。
まるで時が止まっているよう。
だけど実際は、もう3年も経っている。
…ヒカル先輩と、3年も一緒にいたんだ。
毎日顔を合わせて、毎日胸を踊らせた。
当たり前になっていた。
…はずなのに。
そんな当たり前を、自分の手で終わらせてしまった。
…これでよかったんだと、思うしかない。
そう思うと、途端に胸が苦しくなった。
きゅっと締め付けられ、同時に何かがこみ上げてくる。
「……っ、うぅ…」
抑えられない嗚咽と共に、気付けば涙も流れていた。


