「あ!ミドリさん!大学お疲れー!」 わたしの存在に気付いたナツくんが、遠くから大きく手を振ってくる。 こんな光景も、いつも当たり前にしていたこと。 だけど現実を目にした今、自然と胸が高鳴る。 この変化がこの先どうなるかなんて、想像もつかない。 …でもきっと。 もう誰も泣くことなんてない気がする。 ―――よく晴れたある日の夕暮れ 愛の尊さを、この身をもって知った―――