「なに?何の話?」
「わっ…」
わたしの背後から、突然アオイくんが出てきた。
「ココロの好きな人の話だよ」
「ちょっとナツくん…!」
ナツくん、本人を目の前にポロリ。
口が軽すぎるよ…!
「ココロちゃんの好きな人?」
「……えっと…あの…」
う…アオイくん食いついちゃった…
“僕にも教えて”と言わんばかりの表情で、わたしを見てくる。
「ねぇナツ、あたし購買のパンが食べたい。買いに行こ!」
「え?あ、うん」
途端に席を立った2人。
わたしにウインクを飛ばしたミカちゃんが、ナツくんの手を引いて部屋から出て行ってしまった。
……もしかして、気を利かせてくれたのかな。


