閉められた玄関を見つめ、ただひたすら泣く。



何分経っても、ヒカルは帰ってこない。




…きっと今頃、スタジオで一緒に探してあげたりしてるんだ。



あの子からすれば、計算通りかもしれない。




以前から薄々感じていたものは、この前、はっきりとした。



キスシーンが撮りたいと呼び出されたあの日。



彼女のヒカルを見つめる熱い視線に、わたしが気付かないわけがない。



こうしてヒカルを呼び出すのも、今に始まったことでもない。




月島ヒナは、ヒカルのことが好きなんだ。