ぱっと唇が離れたかと思えば。 目の前には何の模様もないただの白。 この状況を理解するのに、どのくらいの時間がかかっただろう。 「わああぁぁぁぁ…っ!!」 気付いた頃には、わたしは部屋で1人、泣き崩れていた。 ……どうして。 どうして行ってしまったの? あの子のことなんて、気にしないで。 傘を忘れたのも、鍵をなくしたのも、きっとわざと。 彼女はただの後輩でしょ。 ヒカルが心配なんてする必要、どこにある? わたしよりも、どうしてあの子を選んでしまうの……