「じゃあね、ナツ。僕はもう帰るよ」 「あ、そうか。…なんか悪いな、サンキュ」 「ううん。また明日、学校で」 とりあえず一段落、ということで、ナツに手を振る。 一瞬目が合ったミドリさんには軽く会釈して、2人に背を向けた。 「あっ…ちょっと待って…!」 歩き出してすぐ、高い声に呼び止められる。 振り返ると同時に、ミドリさんが数歩で駆け寄って来た。