「ミドリさんが…可哀想なんだ」 「え?」 突然のナツの言葉に、僕はすぐには理解できずきき返す。 「ミドリさん、叶わない恋してんだって」 そう言ってまたふっと笑うナツ。 悲しげな顔で続けた。 「彼氏さん、妻子持ちだってよ」 「え……」 衝撃の一言。 妻子持ちって………不倫…!? 「昼間うちに遊びに来てて、姉ちゃんと話してんの聞こえたんだ」 「うん」 「相手は20も歳上で、大学の教授らしい」 「へぇ……」 状況がつかめない僕に、分かりやすいように説明してくれた。