「…どうしたら……好きな人の笑顔が見れるのかな…」 僕を映さない遠い目で、そう呟くナツ。 普段の明るい表情とは180度違う、何とも悲しげな顔。 「やっぱり何かあったんだろ?」 「……」 「誰かに話せば楽になると思うけど…」 「…うん」 「まぁ、別に僕じゃなくてもいいけどさ」 ナツが少しでも楽になるように、と、ふっと笑って言ってやる。 「…いや、聞いてくれ」 応えてくれたのか、つられただけなのか、涙を拭いたナツもふっと笑った。