「あ。ココロー、またアオイのこと見てんのか?」
去った彼と入れ替わりで、横からひょっこり人が出てきた。
「やめなってナツ。陰からそっと恋する乙女をからかっちゃかわいそうでしょ」
「そういうミカこそ言い方が悪いだろ」
いつも仲がいいナツくんとミカちゃん。
明るくていつも息が合っている2人は、幼稚園以来の幼なじみらしい。
何かと気にかけて仲良くしてくれるミカちゃんとナツくんが、わたしは大好き。
わたしがアオイくんを好きなことは、この2人だけしか知らない。
「恋してるココロかわいー!」
「にやけてるぞー」
「えっ…う…あ…」
こうやってすぐ真っ赤になるわたしを、いつも楽しそうにからかうんだ。


