「何で泣いてんの。何かあった…?」 夜の10時にコンビニの前で1人涙を流すなんて、何もないわけがない。 そんなこと、誰だって分かることなのに。 「…別に何もない」 ナツは瞳を潤わせながらそう答える。 …まぁ、人には聞かれたくないことだってあるだろうし、別にいいけどさ… 「そ。補導されないうちに帰りなよ」 仕方なく、そう言ってナツに背を向ける。 「…なぁ、アオイ」 小さな、か細い声で、背後から呼び止められた。