「もうすぐ日が暮れるよ。早く帰らないと危ないよ」


「…うん」



窓から差し込む夕日が、もう半分見えなくなった。



腕の力を抜かれ、すうっと冷たい風が全身を撫でる。




「また明日」



その言葉と同時に、わたしの好きな微笑み。



「…うん。また明日」



寂しい気持ちを押し殺して、同じように微笑んだ。





―――明日も、明後日も、またここに来る。



…背伸びな恋は、まだまだ続きそう。



通い慣れた愛しい部屋を背に、沈みかけた夕日を眺めながら、ふとそう思った―――