背が高く端正な顔立ちの彼は、若い頃はモテただろうと容易く想像できる。 全身から醸し出す大人の雰囲気は、わたしにはまだない、憧れのもの。 こうなるきっかけなんて、もう忘れた。 気付けばいつの間にか彼の虜。 できるものなら、出会う前に戻りたい。 …よりによって、不倫なんて… 「わたしも早く結婚したいなぁ」 「だったら誰かいい人見つけないとな」 「…教授がいい」 「…はは…何言ってんだ」 …笑わないでよ。 わたしは冗談なんか言っていない。