先輩がユカリさんを抱きしめる形で引き寄せた。 徐々に深くなる口付け。 ――カシャカシャ 舌が絡む度、この静かな空間に生々しい音が響く。 ――カシャカシャカシャ そんな音、シャッター音でかき消してやる。 わたしの耳に入る前に。 ――カシャカシャカシャ カシャカシャ、カシャ 目の前の2人と同時に、わたしの指は勢いを増す一方。 絡み合う唇も、触れ合う指先も、わたしの視線を奪って離さない。 ……ぎゅっと胸が締め付けられる。