ある日の休憩時間の話。 ―――――――――― 「ココロちゃん、落としたよ」 背後からふとかけられた声。 耳に入ったそれは、瞬時にわたしの心臓を跳ねさせる。 「あっ…ありがとう」 「うん」 差し出されたしおりと共に、優しい笑顔。 受け取る手が震える。 「…ははっ、なに震えてんの。ほら、はい」 「わっ…」 ふいにつかまれた右手。 感覚がなくなっちゃうくらい、すごく熱い。