「何で俺や!?相手は!?」
「わたしがお相手いたしましょうか?」
「だぁほ!ありえへんわ!」
「あはは、冗談ですよ!」
途端に先輩は真っ赤な顔。
…ありえない…か。
そんなこと言われたら、“冗談”としか、言いようがない。
「…月島。…お前ほんまに俺のキスシーンが撮りたいんやな?」
「はい。ぜひ」
先輩がどういう顔をするのか、見てみたいし撮ってみたい。
「…よっしゃ分かった」
「え?」
「嫁さん呼ぶわ。待ってて」
そう言ってカメラを置いた先輩は、携帯電話を片手に小部屋に行ってしまった。
…お、奥さん…!?


