やっとナツがあたしの方に振り返った。 目の前の茶色い瞳に自分の姿が映る。 「……」 「ミカ?」 「……」 …お願い。 このままあたしだけを見ていて。 いい加減あたしの気持ちに気付いて。 いつも一緒にいるんだから、簡単でしょ? ……なんて言えるわけもなく、 「あたしこれが欲しい。買って」 そう手に握った小さなチョコを差し出すことしかできない、弱虫な自分。 もう何年も、この状態。