「そういえばミドリさん、彼氏できたんだって?姉ちゃんが言ってた」


「うそ、ユカリったらもう言ったの?」


「うん。彼氏ってどんな人?」


「え、教えなーい」



3人だけしかいない店内で、2人の会話は弾む。



どうせあたしは蚊帳の外。



毎度のことだからもう慣れた。




…でもね、ナツ。



何でそんな悲しい目をするの?



何でそっちを見るの?



カウンター越しの彼女のことばっかり。



あたしの前には、そんな鉄の塊なんてないよ。





…今だって、こんなに容易く触れることができるんだから。



「ん?ミカ?どうしたんだよ」