…それから1か月後。
突然届いた大きな箱の中に、恐らく数千枚はあるだろう、わたしの思い出の写真たち。
本当に全部送ってくれた。
一番多いのは、3年分の、毎朝恒例の不意打ちの写真。
楽しかった思い出がこんなにもたくさんあるなんて、これ程嬉しいことはない。
「あ。これ…」
ふと見つけた、箱の一番底にある封筒。
中には、グランプリをとったコンテストの応募作品。
ヒカル先輩たちの艶やかなキスシーンのその裏に、お世辞にも上手いとは言えない男らしい文字。
その愛しい走り書きに、最後の涙を、一筋流した。
“日本一のプロカメラマン、月島ヒナへ
世界一になって、また会いに来い!”
―――すっかり春気候になった4月のある日。
きっとすぐに会いに行きます、と、写真に向かって微笑んだ―――


