「先輩。…今までありがとうございました」



ありきたりの言葉に、精一杯の気持ちを込める。



たくさん迷惑をかけて、たくさん学んで、そしてたくさん想わせてもらった。



他の誰かじゃダメだった、わたしの師匠。



ヒカル先輩の元につけて、本当によかった。




「…うん。俺の方こそ、ありがとう。月島に出会えてよかった」



そう言ってくれるだけで、もう十分。



溢れ出してしまった想いを、キレイに片付けてしまおう。



いい思い出だったって思える日が、早くくるといい。




「今までの写真、全部現像して送ったる。全部お前の成長の過程やからな」



そう言って眩しい笑顔をくれたのを最後に、わたしは先輩の元から巣立った―――