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「「「カンパーイ」」」
カチンとグラスの当たる音がそこらじゅうから聞こえてくる。
「佳珠奈ちゃんって、何歳なの?」
「24ですが」
「好きな色は?」
「ありません」
「好きな食べ物は?」
「オムライス」
隣に座っているなんとなく面倒臭そうな人を適当にあしらう。この枝豆美味しいな。
私を無理矢理連れてきた美咲本人は目の前に座っている男の人と話している。
「にしても郁人遅くね?」
確かに今日は4対4の合コン。なのに、女子四人の男子三人。
1人足りない。
「バックレたとか」
「ハハッ。郁人なら有り得そう」
男子たちはそのイクトとやらの人の話で盛り上がっている。
「ねぇ、イクトって?」
隣に座っていた美人ちゃんの有佐が聞いた。
「俺らの同期。あんま笑わない奴」
「なのに、俺らよりデキる」
「女子に人気の世間一般に言うイケメン」
向かい側に座る男子たちがゲラゲラと笑う。
そんなに凄いのか。一体何者なんだ…。

