「新山くん。これコピー取っておいて」
「はい」
いつもの通り、課長にこき使われる毎日。
正直、ため息を吐きたくなるくらいだけど、本人が近くにいるからやめておこう。
「佳珠奈。今日何時おわり?」
ガーガーとコピー機が音を立てている。
吐き出される紙を取って、隣にいた美咲に顔を向けた。
「何で?」
「今日合コンなの。佳珠奈も参加して?」
「何で私が…」
「だって〜、佳珠奈来ると受けいいんだもん」
だもん、ってあなた…
そんなに可愛く言われたら、行けないなんて言えなくなるじゃん。
「………これで最後ね」
「キャー。ありがとう佳珠奈〜」
美咲に乗せられるのはこれで何回目になるんだろう…………。
まぁ、仕方ない。

