【短編】あの日見た夢は、今。










「……予知夢?」

「うん、お母さんが言うには……そうじゃないのかって」


校舎棟の屋上、あたしはユノにすべて話した。
すると彼女は少し考えたのち、あたしに優しく言う。


「気になるのも分かるし、そうだと私も思うけど……今は勉強に集中しよ?もうすぐテストなんだし」

「う、うん………!」








なんだか、ユノに言われると、自然と「そうなのかなぁ」と思えてくる。それほどまでに、彼女は聞き上手で話しやすくて、しかも話す相手の気持ちを尊重してくれる。
そんな――いい子。


「じゃあ、勉強する!」

「うん!!その意気!!!!」



「じゃあ私、委員会あるから行くね」そう言って、ユノは走って行った。