「ま、お母さんも予知夢なんて信じちゃいないわよ。軽く聞き流してちょうだーい」
お母さんはそう言う。
でもなぜか、そう言われた時ほど、その項目に関して敏感になるのは何故なのだろうか。
あの夢………なんなんだろう?それにしても――あの男の子が気になる……。
――……
――……
本鈴が鳴り響くAM8:30。あたしはギリギリで教室に入った。
正直、夢に出てくるその男の子のことが気になりすぎて、授業の内容はほとんど聞いていなかったりする。ペンを回してひたすら、ノートを取っている“フリ”をするだけ。
それよりなにより、夢の男の子が誰なのかを知りたいのだ!
「おーい、和葉?」
「あぅち……っ!ナニ…?」
いきなり話しかけてきたその声に、あたしの肩がびくっと反応した。それに伴い、回していたペンを落としそうになる。

