「……あ………」 「……うっわ暴力ですか。振るう人だったんだ、単なる変態野郎だと思ってたのに」 あたしの言葉に、彼は何も返して来ない。どころか、肩を震わせてその場にうずくまっている。 こないだとは、大違いな態度だ。 「な、何よー。成仏すんの怖くなっちゃった?霊なのに怖がりなの?」 顔を覗き込むようにして、彼に言う。 震える肩。 怯えきった紅い瞳――。 ――何なのよ。こないだは“ぺったんこ”とかって平気で言ってた変態だったくせに……