いや、走り出した。









 ――意味分からん!意味分からん!意味分からん!意味分からん!!





顔を真っ赤に染めながら、あたしはひたすら心の中でそう言い続けていた。その理由や否や、あの台詞が原因である。

“ぺったんこ”。


胸の小ささはあたしのコンプレックスであるがゆえに、弱いところ。突っ込まれると返せない、ダメージが大きいところでもあるのだ。

重い重い女子のこの悩みを、彼は突っ込みまくって笑い飛ばしたのであるが――……





「なんで初対面の意味分からんチンチクリンに“ぺったんこ”なんて言われなくちゃいけないわけ!?」


相当、ムカついているわけで。